第6学年 総合的な学習の時間の取り組み

1 実施期間    6 月 〜 11月

2 学  年    第 6 学年

3 指 導 者    山田 千津  南 智明  豊田 晋也

4 単 元 名    「元気一番!」  健康チェーック!

5 単元について

 今までに子ども達は、道徳、国語、理科、性教育などを通して、命の大切さ、神秘さを学んできている。その学習を深め生活に生かすためにも、今学年では自分の体についてそのつくりやはたらきを知り、健康で元気にすごすことが何よりも大切であることに気づかせたい。そのためには、まず自分の生活を振り返り、本当に健康的な生活を過ごせているのかを考えさせる。その探求により「健康」についての課題を見つけ追求し考えることができるように本単元を設定した。

6 単元の目標

○自分達の生活を振り返り問題点に気づくことができる。。
○テーマに沿って資料を集め、調査して実際に確かめることができる。
〇健康について自分たちの調べたことを理解することができる。

7 指導計画(全40時間)

(1)出会い・発見・・・5 時間
 @ 理科「ヒトや動物の体」の学習を通して、自分の体の仕組みやはたらきを知る。また、いろいろな資料の活用から、生命に対する見方が深まるように支援する。
 A 保健の学習を通して、いろんな原因がもとになって起こる病気があることを知り、自分の興味のある課題を見つける。

(2)探求・追求・・15時間
 例
 @自分の生活、自分の体に関わっていろんな病気の原因と予防法を調べる。
 Aヒトと動物の体の違いを調べ、それぞれ生きていくために進化してきたことを探求する。
 B自分達の生活を振り返って、健康な生活を送るために必要なことを探求する。
 C環境問題にも関わるが、水、空気などの身体に影響を与えるものについて探求する。
 D人々の健康のために学級、家庭、地域で行っている様々な活動を探求する。
 E健康な生活をするために、自分のできることを考え、日常生活において実行できることを探求する。

(3)まとめ・表現・・・15 時間
 @調べ学習をして、健康で元気に生活していくために大切なことを中心にまとめ発表する。
 A調べた課題によって体験コーナーを設けられるグーループは、工夫をして発表する。

(4)振り返り・活用 ・・・5 時間
 @ 自分達が調べ、発表した課題を相互評価をして、気づいたこと、これから実践していこうと思う課題をみつけ、今後の生活に役立たせる。

8 教科・道徳・特別活動との関連

理科・・・「ヒトと動物の体」  保健・・「からだと心」「けがの防止」
道徳・・・「手のひらのかぎ」「マザー・テレサ」 
       心のノート「いま生きているわたしを感じよう」
家庭科・・楽しい食事をくふうしよう

9 学習活動の記録

出会い・発見 5時間
 ・「健康な生活を送るためにどんなことに気をつけているか」をテーマにアンケートをとる。
 ・お家の方にも協力してもらい、自分の健康についての意識、お家の方〈父母、祖父母)などの意見 を聞き、改めて健康の意味に気づく。
 ・クラスのアンケート結果を発表し、健康な生活を送るためにどんなことに気を付けなければいない かを知る。
 ・「健康でいるためにはどういうことが大切なのか」を考え、自分の調べてみたいテーマを決める。
 ・大きく同じテーマ別にグループを組む。 


探求・追求  15時間
 ・大きく同じテーマ別に9つのグループに組み、インターネットや書籍などで資料集めを始める。

運動と健康グループ
 ・低学年のころ、病気がちだったけれど、運動を始めてから全く病気にならなくなったので、運動と健康について調べる。
 ・「体力があるとかないとか」という言葉をよく耳にするけれど体力とは何か、また運動不足がなぜ病気を引き起こすのかを調べる。
歯と健康グループ
 ・アンケートで、健康でいるためには、まず,歯を大切にするという意見があったので、歯と健康の関係を調べる。
 ・「よく噛むことが健康につながる」という意見があったので「噛むこと、歯のことについて調べる。
たばこと健康グループ
 ・お家の方のアンケートのなかに「健康でいるために煙草を吸わないようにしている」という意見が多かったので、煙草はそんなに害があるのかを調べる。
 ・煙草は体に悪いと言われているのに、おじいちゃんが吸っているので、どんなに健康に害があるのか知る。
眼と健康グループ
 ・テレビゲームばかりしていると眼が悪くなる、テレビを近くで見ると眼が悪くなる、最近、眼の悪い子が多い、コンピューターが普及してきて眼が疲れる、お母さんが疲れたら、よく眼が痛くなると言う、もっと眼を大切にしよう、という言葉もよく耳にするので、眼と健康について調べる。
睡眠と健康グループ
 ・「寝る子は育つ」という諺があるけれど寝ること(睡眠)と健康(成長)は関係があるのか調べる。
 ・健康アンケートのなかで、「健康でいるためには十分睡眠をとる」という意見があったので、睡眠と健康はどのような関係があるのか調べる。
ストレスと健康グループ
 ・健康アンケートのなかで健康でいるためには「ストレスをためないように気分転換する」というお家の方の意見があったので、最近よく聞く「ストレスと健康」について調べる。
骨と健康グループ
 ・骨を丈夫にすることが健康につながる。また、運動をすると骨が丈夫になると言うこともよく聞くので、理科で学習した人体についても興味があったので、「骨と健康」について詳しく調べる。
栄養と健康グループ
 ・カルシウム,鉄分、ビタミンが健康とどう関わっているか。また、朝食ぬきが健康に悪いと言われるがどんなふうに健康と関係あるのか。糖分、塩分の取りすぎも体に悪いと言われるがどのように体に害があるのかについて調べる。
環境と健康グループ
 ・大気汚染のことを5年生の時学習したので、健康と公害のことを調べる。
 ・O157 の食中毒が、なぜ怖いのかを詳しく調べる 。
 ・風邪の予防はまずうがい、手洗いというけれど、本当に手はそんなに汚れているのか、また、どうしたら風邪を予防できるのか、健康でいるために、まず一番身近な病気である「風邪」について詳しく調べる。


まとめ・表現   15時間 
 各グループで発表したことをもとに体験コーナー設け、調べ学習の発表後、その内容を生かした体験をする。  

運動と健康コーナー
 例
 ・運動をするとカロリーはどれだけ消費するかを説明する。
自転車の場合 0.066×39s(自分の体重)×10分=25.74キロカロリー
水泳(クロール)の場合 0.374×39s×10分=145.86キロカロリー
サッカー、バスケットでも145.86キロカロリー(体重39sの人の場合)
運動の場合、水泳のクロールが一番カロリーを 消費することが分かった。
ポテトチップス一袋のカロリーは200キロカロリーだから、運動で消費するカロリーは意外と少ないことに気付く。
 ・食生活の偏りと運動不足から、ストレスから身を守る抵抗力である防衛体力が低下して病気にかかりやすくなることに気付き、最近注目されている有酸素運動の効果を発表。
体験コーナー
 ・自分の平常時の脈拍数を知る。3分間階段を上り下りした後、何秒または何分で元の脈拍数に戻るかを知り、自分の体力の回復力を知る。
 ・チャレラン〈インターネット〉に挑戦

歯と健康コーナー
 例
 ・古代人と現代人の「食事と噛む回数」の違いに気付く。また、太平洋戦争後、急激にあごが小さくなってあごの発達が悪く歯並びが悪くなっている。そのため、しっかり噛むことができず、唾液の分泌も悪く、食べ物の消化が悪くなっている。
 ・唾液にはたくさんの成分が含まれていて、それぞれに大切な働きがあり、一日に1リットルも出ていることを発表。
 ・野球選手がボールを打つ時やサッカーのシュート、テニスのスマッシュなど歯を食いしばるため、歯と運動とも関係があることを発表。
体験コーナー
 ・ガムを噛んで自分のそしゃく能率を知る。(電子計りを使用)

たばこと健康コーナー


 ・ニコチンとタールの害、ニコチン中毒、妊婦に及ぼす害、未成年が喫煙するとどんな害があるのかを説明。
体験コーナー
 ・脱脂綿を詰めたペットボトルで喫煙の実験をする。
1本吸わせたペットボトルの脱脂綿と5本吸わせたペットボトルの脱脂綿の色を比べ、たばこ1本でも脱脂綿がタールによって黄色に変色するのを見ることによって、喫煙することで肺が汚れていく様子を説明。
 ・肺に入ってきた空気の音や肺の中のくしゃみの音をCD  で聞く。






眼と健康コーナー

 ・眼は人体のなかでも優秀な器官の一つで、実際は、眼自体が疲れるということはないと言われているのに、なぜ眼が疲れるのかを説明。
 ・色や物が見える仕組み 
 ・緑が眼に良い理由
 ・盲点について説明。 
体験コーナー
 ・眼の不思議を知ろう!
(ベンハムのこま、黒と白のこまだけどまわすと色が見える。渦まきに見えるけれどペンでなどると・・・眼の盲点を体験しよう。)

睡眠、ストレスと健康コーナー 

 ・ストレスは悪いイメージがあるが、ストレスは人間にとっては必要なもので、人の成長を手助けしたり、社会の決まりを知ることにもつながっていることを説明。ほどよいストレスが人間にとっても動物にとっても良いことを発表。
 ・脳の疲れをとるのが「ノンレム睡眠」体の疲れをとるのが「レム睡眠」
 ・レム睡眠の働きは脳の大きさと関係があることから、睡眠と脳について詳しく説明する。
 ・眠っている間にわたしたちの体のなかでおこっていること。
 ・なぜ睡眠は必要なのか。
 ・乳児の睡眠の特徴から、大きくなる、成長するためには睡眠の回数や時間を多くとらなければいけないことを知り、「寝る子は育つ」という諺の意味を説明する。 
体験コーナー
 ・脳の重さを体験しよう!(紙粘土で脳を造り、実際に体重何キログラムの人の脳なのかを知る。)・「ラベンダーの香りは安眠を誘う」と言われているが実際どんな香りなのかを体験しよう!

骨と健康コーナー

 ・人体は、たくさんの骨で支えられていて、内臓を守る働きもあり、筋肉とも深く関わっていること、「骨とカルシウム」「骨と運動」の関係、骨の成長には、栄養や運動が必要であることに気付く。このことにより「骨と健康」には深い関係があることを説明する。(健康な体でいるためにもカルシウムのたくさん含まれている食物を食べること、好き嫌いなく食べることが骨を丈夫にすることを知る。)
体験コーナー
 ・背骨歪みチェックで、自分の背骨が歪んでいないか調べる。

栄養と健康コーナー

 ・カルシウム、鉄分、ビタミンの働きを知り、どんな食物をどれだけ食べるといいのかを説明する。
 ・糖分、塩分の取りすぎがどのように体に影響を与えるかを説明し、一日に摂取する適量を具体的に食物で説明する。
 ・朝食ぬきが、成長期の子どもにとってたくさんの問題点があること、脳の働きにも影響があることを説明。
体験コーナー
 ・ジャンボ内臓福笑い
 ・BMI測定(肥満度チェック)
 ・おやつカルタ(おやつは200キロカロリーまで)




環境と健康コーナー

 ・日本の環境破壊の現状とその害、外国の環境汚染などを詳しく説明し、それがどのように健康と関わっているかを発表。
 ・牛にとっては何の害もない病原菌であるのにも関わらず、人間にとって怖いO157の病原菌についての特徴や発生の仕方を詳しく説明する。
 ・手洗いやうがいで風邪を予防できることや、自分たちの手がいかに汚れているかを「パンのかび実験」で説明する。
体験コーナー
・手は、ばい菌でいっぱい(パンのかび実験)




10 他教科等との関係

 ・保健「からだと心」・心のノート「いま生きているわたし 感じよう」
 ・理科「ヒトと動物の体」
 ・家庭科「楽しい食事をくふうしよう」


11 授業後の児童の感想

 ・いろんな人の発表を聞いて、どれぐらいの声が聞き取りやすいのかが分かって、いい体験になった。ゆっくり大きい声で言葉をはっきり、人の反応を見ながら発表すればいいなだなと分かってきた。
 ・この学習で、やはり一番難しかったのは、発表原稿を書くところでした。自分の調べたことを分かりやすくまとめるために3回は書き直しました。書き直していくうちに、自分でも書き方が分かってきました。
 ・何回か発表しているうちにだんだん慣れてれてきて、発表の後のクイズやアンケートも楽しかったです。みんな上手にまとめているなと感心しました。次の総合の学習もがんばりたいです。
 ・体験コーナーを各グループで工夫していました。自分たちの調べたことを、もっとよく分かってもらうために、上手に体験を考えているコーナーもありました。この総合学習は、ぼく達にとって、とてもプラスになりました。
 ・それぞれのグループで発表した「元気一番、健康チェック!」で分かった事を、今度は自分たちが忘れないで実行していくことが大切だと思いました。朝食ぬきが体に悪いこと、栄養と健康について、睡眠のこと、たばこの害のことなど・・・・この学習をこれからも生かしていきたいです。


12 成果と課題

(1)学習の成果
 まず、この学習を進めるために、「健康でいるためにはどんなことに心がけているか」「自分は健康だと思うか」などのアンケートを行なった。その結果、子ども達は、教師の想像以上に自分の体のことをよく理解していて、自分に適した課題を見つけることができた。また、同じアンケートをお家の方にも協力していただき、その結果を知ることで、子ども達は、身近な人(父母、祖父母)が健康でいるために心がけている項目にとても興味を持ち、より一層、課題追求に意欲的に取り組むことができた。「元気、健康」という人が生きていくうえで一番大切なことに目を向けさせることができたこと、また、この学習を今後も自分の生活に返すことができたこと、これが一番の成果である。小学校最後の学年でこの学習を深めることができたので、今後も「健康な生活」をいとなむことができる子どもに育つことを願いたい。

  総合学習のまとめ、表現方法も子ども達なりに少しずつ理解することができるようになった。例えば、集めた資料を分かりやすく表現したり、絵や図を工夫したりする技能も昨年度に比べるとずいぶん上達した。また、自分たちの発表を再確認するための体験コーナーを工夫したことが効果的だった。やはり、紙面の発表だけでなく、実際に体を使って試してみることでより理解が深まったと思う。また、たばこのニコチンによる脱脂綿の黄ばみや、パンのかび実験を見れば、「百聞は一見にしかず」という諺通り。

 評価については、みんなから良いところを誉めてもらうことで自信がつき、自らもより活動に積極的にかかわっていこうとする態度が見られた。どの子も、自己評価のところで、「総合学習で調べたりまとめたりするのがとても大変だったけれど、最後までよくがんばったと思う。また、こういう発表をしてみたい。」と感想を述べていた。
 また、成果の一つとして、挙げられることは、家庭科の「栄養素の学習」や、理科の「ヒトと動物の体」保健の「病気と健康」「環境と健康」「エイズ学習」などと関連付け、既習の教科学習をより深めることができたことである。

(2)今後の課題と展望
 総合学習での一番の壁は、やはり資料集めであるが、インターネットや書籍から得られる資料には限りがあり、なかなかほしい情報が得られなかった。また、今回のような課題追求になると幅広くいろんな知識が必要なため、教師の力量がますます問われてくると痛感した。
 また、子ども達の調べたい課題と調べることができそうな課題が一致しない場合があるので、教師の適切な支援が必要である。「課題を見つけ、探求・追求しまとめより分かりやすく発信す力」を達成させるためには、やはり基礎学力の充実である。今後も日々の学習の積み重ねを大切にしていくことこそが、総合学習を深めていくことにつながるのではないかと思う。