時 代 探 検 を し よ う

学   年 六年生
全活動時間 38時間
時   期 9月〜12月

1 概要

・ 自分達の身の回りの,衣・食・住・文化等のルーツを探る活動を通して,先人達の工夫に気づいたり,現代の自分達の生活を見直したりする。
・ 学級の枠を取り払い,共通の課題グループ(隊)で活動する。
・ 活動の時間については,行事や他教科との整合性を取りながら,活動の進み具合に合わせフレキシブルに取ることとした。

2 課題設定にあたって

 この学年の子ども達にとって,本格的な『総合の時間』を取り組むのははじめてということもあり,取り組みやすい課題として,社会科の歴史学習に通じる,本課題を設定した。
 また,この課題を進めることにより,より歴史への興味を高めるという相乗効果も期待した。本課題では,前述のように,『先人達の工夫に気づいたり,自分達の生活を見直したりする』 ことにあるが,同時に,これらの活動を通して,子ども達の『話し合いの仕方』『調査の方法』『計画の立て方』『制作・体験活動の進め方』『まとめ方』『発表の仕方』などの力をつけることをねらっている。

3 活動の進め方

@ 時代ごとに,調べてみたいことがらの個人アンケートをとり,その中でも,特に調べてみたいことがらについて,具体的に例をあげて記述する。
A 共通の課題を持った者同士で,探検隊を編成する。
B 探検隊の中で話し合い,隊としてのテーマを決める。
C 全体の活動計画を立てる。
D 計画に基づき活動する
   (役割分担,調査活動,紹介・話し合い,制作・体験)
E まとめる
F 発表・発信する

4 時代探検を進めるにあたって

@ ノートの活用(ポートフォリオ)

毎時間の,めあて・活動内容・調査資料の添付・自己評価・等を記録していくことで,自己をふり返ることができる。
A 目当てカードの活用

毎時間の活動のめあてをノートに添付し,活動後に自己評価する。
目当てについては,活動内容に合わせた基本のめあてを与えるとともに,児童自らが立てた目当ても,記入できるようにした。
B 評価

・ 『目当てカード』による自己評価
・ 教師の評価(ノートへの書き込み・声かけ)
・ 相互評価(タックシールの活用・声かけ)
・ 活動をふり返ってのまとめの作文
総合的な時間の活動については,評価は欠かせない。

自己評価によるその時間のふり返りは,反省とともに達成感を持つこと で,次の活動への意欲にもつながった。
教師の評価や相互評価についても同様で,次の活動の意欲付けになったが,特に,タックシールを活用した相互評価は,いろいろな視点からのポジティブな評価が多く,児童の活動に自信を持たせるうえで役だった。

C 発表形式の工夫


・ 制作した物やまとめた資料を順次廊下展示して,進行状況が誰にでもわかるようにした。
・ 各隊のまとめの発表はポスターセッション形式として野焼き体験と平行しておこなった。

D 時代探検の活動の目当てと基本的な進め方を明示


児童が,全体的な見通しを持って活動できるように,また,活動を進める中で常に基本のめあてに立ち返れるように,下記のような『計画書』を提示した。

5 各隊の活動の様子

話し合い活動(土器体)10/6 調査活動(建物体)10/13
制作活動(武器隊)11/6 体験活動(土器隊・食事隊・古墳隊)11/6
まとめ活動(文字隊)11/21 発表活動(食事隊)12/18
発表活動(建物隊)12/18 発表活動(年表隊)12/18
タックシールで相互評価12/19 個人のまとめ12/19

6 資料、目当てカード等

省 略
 
 
 

7 成果と課題

◇ 少人数であることや,自分の興味のあることで進められる今回の総合的な学習は,ほとんどの児童にとって楽しく意欲がわく学習であった。特に,日頃の教科学習では生かされない児童も,みんなから認められる場面や自分に自信を持てる場ももつことができた。

◇ 時間ごとにめあてをもち,ワークシートに記入していくことで,調べ活動や話し合いが見通しを持って進められた。また,時間の終わりには,ふり返り活動を通して自己評価し,次時への意欲付けができよかった。

◇ クラスを越えて学年全体で班分けをし,体験的な学習も取り入れたので,普段仲の良い友達とばかり活動するのではなく,あまり遊ぶことのない友達とも仲良く協力でき,お互いの良さを認め合う良い機会になった。

◇ 時代探検の後半は,自己評価だけでなく,相互評価も取り入れることにより,自分を見つめることができ,自信を持つことができるようになった。

◇ 社会科教材の発展として時代探検を取り組んだことで,普段の教科学習ではただ単に知識(暗記)として終わってしまいがちな歴史学習がおもしろくなり,違ったスタンスで歴史を見る目が育ってきた。


◆ 当初,総合をどう進めるのか教師自身がはっきりとしたビジョンを持たずに取り組み始めたため,子ども達も何からどう取り組むのかとまどっていた。

◆ 行事の合間を縫って行うことが多かったので,事前の打ち合わせが十分にできず,4人の指導者間(時には5人)で指導の方向や児童への関わり方,課題のおろし方に微妙な違いがあった。

◆ 今回,3人の担任と学年付きの4人で指導したが,課題別の隊の数が多すぎ目が届かず,的確なアドバイスができなかった。反面,課題数を減らすと1つの隊の人数が多くなりすぎる問題がある。

◆ 当初のめあてには、「自分たちの生活を見つめ直す」としていたが、現代の生活を見直すまでにはいたらなかった。


□ 時間の設定について
・ 30時間すべてを見通した計画が立てにくい。今回の取り組みも,結果的に予定していた30時間より多くなり,38時間となった。
・ 班によって進め方や進み具合が違う。
・ 3学級合同の時間割を組む必要がある。
・ 学年付き(専科)の先生の協力や特別教室の使用については、他学年との時間のかねあいに問題が出てくる。

□ 身近な生活の中で基本的な体験をしていないので,その能力を前提とした活動に予定していた時間以上に時間がかかる。また,やりこなせない。本来のめあてとする体験に行き着くまで膨大な時間がかかる。

□ 子供の希望に対して,隊の数の都合で希望通りできなかったり,似たような課題グループに集約したりすることで,児童の意欲をそいでしまうような場面も見られた。

□ ゲストティーチャーの活用や地域教材に結びつけて取り組むことも考えていたが,時間的な余裕がなく,安全面,指導面等いろいろな課題があり難しい。

□ 以上のことからすると,学年として取り組むのであれば,校外に出て活動する総合の取り組みは,子供自身が基本的な社会常識を備え,ある程度自らの責任で行動できる中・高校生で取り組むべきもので,小学校では,自ら学ぶ喜びを感じさせる取り組みを大切にしつつ,より基本的な学習に重きをおいたものにすべきだと思う。


8 時代探検をふり返って 児童の感想

 私がこの時代体験をして楽しかったことが三つあります。

 一つ目は、甲骨文字辞書を作ったことです。これを作ろうと思ったのは、甲骨文字を簡単に知ってほしかったからです。始めは、若林さんと、私で漢字辞典にのっている漢字の成り立ちを写しました。そこには甲骨文字がのっていたからです。すべての漢字にすべて甲骨文字がのっていたわけではありませんが、それでも膨大な数の漢字を写さなければいけませんでした。書いているうちに、だんだん楽しくなってきました。2時間で約半分書き終えました。次の時間には、原さんも、手伝いにきてくれました。合計4時間でこの辞典を完成させませた。私のノートに、13ページも書き印刷しました。でき映えは、なかなかよく、大変だったけどやってよかったと思いました。

 二つ目は、漢字カルトが好評だったことです。発表日の直前に、考えついたものです。常用漢字ではない、漢字をクイズ感覚で楽しめるようにしました。たとえば、魚へんの漢字。魚へんの漢字は、ほとんどが常用漢字に入っていません。しかし、なんとなくわかるというものは、たくさんあります。みんなの感想は、「むずかしかった」とか「おもしろかった」とか「わかったぞ」などなど。やってもらえてよかった思いました。

 三つ目は、時代探検をやっているうちに、中国は、日本より文化がはるかに進んでいることを知ったことです。中国が文字を作ったとき日本は、縄文時代でした。こんなに、中国が進んでいたなんておどろきました。新たな発見をする旅、どんどん楽しくなりました。これからも文字について調べたいです。特に、どんなものを調べて昔の文字を知ったのかを、知りたいです。また、なにか機会があれば、調べようと思います。

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